災害医療における看護師の役割について

災害発生時、災害医療の現場では、看護師は看護の知識や技術を、提供するだけではありません。他の専門スタッフと協力したり、連携しながら、災害救急医療や、災害発生後起こる可能性がある感染症の対策、被災者などの健康を維持する為の、保健指導など看護師の役割は多岐にわたります。また、災害により医療の需要と供給バランスが崩れ、パニックになったり、不安に苛まれる被災者たちの心のケアなども行います。その為、看護師は過酷な状況や、パニックを起こしている現場でも、常に冷静でいることが求められます。

また、助かる見込みのある人から優先的に救護していかなくてはならず、厳しい状況の中、強い精神力が必要になります。更には、医療チームとして看護にあたるため、全ての医療スタッフと良好な関係を保たなくてはいけません。災害後も、安全は保証されておらず、長期にわたり危険な状況が続く場合もあります。そんな時、安全な場所へと誘導したり、強まる不安をケアします。何が起こるか予想ができない為、柔軟な対応力が求められます。一般病院の看護師も、災害看護を行うことはできます。しかし、災害現場に派遣され看護を行う、災害支援ナースや、専門的な訓練を受けている医療のチームであるDMATとして活動することもできます。災害看護は、1人でも多くの命を救い、防げる災害死を防ぐ重要な役割を担っています。また、不安やパニックによって精神的ストレスを抱える被災者の心のケアまで、心身の健康と安全を守る仕事です。